過去に当院の院内で行っていた外部向けの勉強会の実施後の報告を掲載しております。
勉強会は現在は院内のスペースが確保できなくなったことから、休止中です。
第1回 「脱水について」 大塚製薬工場
勉強会当日は第1回の「脱水」のテーマに合わせたかのような蒸し暑い日でした。
会場もたくさんの人でクーラーが効きづらく、 テーマに沿った脱水を体験していただけたかと思います。
内容は脱水についての基本的な知識から、経口補水療法(ORT)について。
医者ではなくてもできるORTは、かなり興味深いお話でした。
普通の人にはおいしくない経口補水液が、脱水の人には
おいしく感じられるというのは面白いですね。
実際に大塚製薬さんから販売されているOS-1(オーエスワン)の試飲をしてみていかがだったでしょうか。 私は脱水気味だったのか、おいしく頂けました。
自宅で作れる経口補水液を教えて頂いたのもよかったですね。
さっそく脱水になりそうな患者さんに、院長が教えているようです。
文責 桑原
第2回 「うつ病について」 ファイザー製薬
第2回は前回の反省をもとに、入り口での受付をスムーズに… と思ったのですがあまり改善できませんでした。 今回も沢山ご参加頂き、有難う御座います。また暑かったですね。第3回はもう少し考えておこうと思います。
今回はうつ病について。
うつの人が最初にかかるのが精神科以外というのは興味深い話でしたね。
症状によっては、うつだと気が付かないでいることも多いんだと思いました。
こころとからだの質問票(配布資料の一つ)を見ても、 「これもうつの症状なんだ」と思うものがあります。
周りに「うつ」かもと思う人がいても、精神科の受診を勧めるのは難しく、 適切な治療を受けないとなかなか治らない。
改めてこの病気の難しさを知った気がします。
文責 桑原
第3回「半固形栄養食品~胃瘻からの短時間注入について~」 テルモ株式会社
暑い日が続いていますね。今回は今までの反省を生かし、割と涼しい環境で勉強会が行えたのではないでしょうか。
我々も夏バテしないよう頑張っていきたいと思います。
第3回目は、在宅医療の現場ではよく見られる経管栄養について。
基本的な経管栄養の知識を学んだあと、半固形栄養食品使用における誤嚥リスクの軽減や、介護者負担の軽減について勉強しました。
あれだけ誤嚥性肺炎のリスクが下がることが立証されているのならば、どんどんお勧めしたいところですが…。
保険適用にならないものですかね。一食300円程度なので、食費と考えれば自費なのはしょうがないのでしょうか。
最後に行っていたPGソフトの絞りだしはいかがだったでしょうか。
思ったより固くて驚きましたね。大きな力をかけるのではなく、力をかけ続けるのが「こつ」とのことでした。
文責 桑原
第4回 「認知症の症状と診断・治療について」 第一三共株式会社
涼しくなったり、暑くなったりと体調が崩れがちな気候ですね。皆様も体にお気をつけください。今回の勉強会は内容はもとより、プレゼンテーションが大変わかりやすかったのではないでしょうか。
私は内容をかなり理解することができましたように思います。
第4回目は、在宅医療の現場で一番みられる認知症についてです。
物忘れと認知症の違いや、認知症の症状についてかなり詳しく勉強することができました。
担当の患者さんについての質問など、質疑応答も深い内容でしたね。
認知症自体がまだ研究され始めたばかりのようですので、今回のメマリを含め新しい治療薬の登場に期待したいですね。
文責 桑原
第5回 「慢性疼痛疾患の診断と新しい鎮痛薬~トラムセット~」 ヤンセンファーマ
急に冷え込んできて、風邪をひいてしまいそうな気候ですね。皆様も体にお気をつけください。今回は在宅の現場はもちろん、私たちの身近にも見られる「慢性疼痛疾患」についてです。
肩こりや腰痛などで痛み止めを飲んでいる方は、よく見かけます。
これらの痛みが一過性のものなのか、慢性的なものなのか。
また、痛みの原因が炎症性のものであるのか、神経障害性のものであるのかなど
正しい診断についてと、その重要性について。また原因によっては、新い治療薬の
トラムセットが著効する場合があることを勉強しました。
当院の患者さんでも、かなりよく効いた方がいらっしゃいます。
慢性的な痛みは、本人にとってかなりのストレスになってしまいます。
これがうまく抑えられれば、ADLの向上が期待できるので、よく処方されるNSAIDsとの違いを理解しておきたいですね。
文責 桑原
第6回 「嚥下障害へのアプローチ」 牧上 久仁子 医師
朝布団から出るのがつらい時期になってきましたね。
体に気を付けて元気にやっていきましょう。
今回はつばさ在宅クリニックで新しく行えるようになった嚥下内視鏡検査を用いた、嚥下機能評価とリハビリに関する勉強会です。
誤嚥する仕組みや、誤嚥して肺炎などを起こしてしまうメカニズムなど詳しく理解できたのではないでしょうか。
ケースバイケースで色々な嚥下指導が必要であることが分かったのではないかと思います。
検査自体は保険点数で600点(1割負担で600円)で行えます。
牧上先生のダイナミックなプレゼンテーションもわかりやすくて良かったのではないでしょうか。
訪問した患者さんの家でも同じように説明するので、時々驚かれるそうです。
文責 桑原
第7回 「難治性腹水に対する治療」 めぐみ在宅クリニック 看護師 石橋 泉子
朝の通勤途中に霜柱を見るようになりました。初雪もそのうち見れそうですね。
今回は腹水ろ過濃縮再静注法(CART)に関する勉強会です。
つばさ在宅クリニックでは11月より新たに行うようになりました。
根治的な治療ではなく、対症療法ではありますが、かなりの効果を得られるケースもあるようです。
KM-CARTと言われるこの方法は、まだ広く浸透している方法ではないようですが、今までのCARTを改良したもので副作用の発熱の機会をかなり抑えることができたり、ろ過濃縮できる腹水の量も多くなっており、今後症例が増えて確立したものができてくるといいですね。
治療自体の効果とは別に、看護師が腹水を抜くため、長時間患者さんのご自宅に滞在することによって、本人・家族が自身の内面を吐露したり、不安に思っている点・疑問などを看護師に聞ける機会になっているがよいですね。
石橋さんのお話では、この療法を行うときには、本人・ご家族ともに緊張されてしまう方もいるので、なるべく石橋さん自身がリラックスしているよう心掛けているそうです。
文責 桑原
第8回「在宅における人工呼吸器管理」 フィリップス・レスピロニクス合同会社
雪も降る本格的な寒さが来ていますね。転倒などの事故も多くなってくるので気を付けていきましょう。
今回は人工呼吸器管理についてです。
人工呼吸器の基本的な内容から勉強ができました。
普段身近には人工呼吸器管理の患者さんがいない方にとって、理解することが出来るよい機会になったのではないでしょうか。
講義後の体験もよかったですね。。
実際に人工呼吸器をつけてみると、慣れがないと呼吸するのも大変だったり、圧迫感があったりと患者さんと同じような気持ちを感じることが出来たのではないでしょうか。
文責 桑原
第9回 「過活動膀胱の診断と治療」アステラス製薬株式会社
最近雪や地震が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。今回は過活動膀胱についてです。
過活動膀胱とは膀胱が勝手に縮んだり、過敏な働きをするために尿が十分に溜まらないうちに急に尿意が起こる異常な働きをすることです。
男性では前立腺肥大が原因のことが多いですが、女性はなっていてもなかなか恥ずかしく受診まではいけないようで、我慢している方が多いようです。
勉強会の中で実際にみせていただいた膀胱訓練、骨盤底筋訓練はスタッフもその場でやってみましたが、患者様やご家族にもおすすめできると思いました。
文責 早川
第10回 「癌性疼痛の評価と治療」 協和発酵キリン株式会社
花粉のつらい時期になってきました。しっかり対策をして、頑張っていきましょう。
今回は緩和ケアについての基本的な知識から、癌性疼痛の評価方法・各治療薬の違いや選択について、使い方や注意点等深い内容まで勉強することが出来ました。
質疑応答では現場での「お風呂に入るときは・・・」「薬剤変更のタイミングは・・・」など、より実践的な質問が多くされました。
普段もやもやしていた部分も、すっきりできる内容ではなかったでしょうか。
文責 桑原
第11回 「気管カニューレの種類と使い分け」株式会社 高研
暖かくなったり寒くなったりと気温が安定しませんね。体調を崩さないように気をつけていきましょう。
今回は「気管カニューレの種類と使い分け」ということで、気管カニューレの基本的な構造から種類ごとの特徴、 起きるトラブルについてなどの説明と、実際の事例に沿った質問など、かなり深い内容まで勉強できました。
沢山の種類のカニューレの実物を手にとって見れたのもよかったですね。
私も手に取ってみて初めて「ここがこう患者さんのここに入っている」のが理解できました。
文責 桑原
第12回「エンジェルケアってなんだ」株式会社素敬 上野宗則 氏
今回は、病院や在宅で行われるエンジェルケアについての講義でした。エンジェルケアの方法には、各病院である程度の決まった方法が教育されているそうですが、
先輩から教わった方法を、そのまま行っていることが多いようです。
実際に亡くなった現場に立った時、多くの看護師さんが迷いながら処置を行っているのではないでしょうか。
その脈々と伝えられている方法が、本当によい方法なのかどうかを
家族の視点から考え、現場の看護師さんや湯灌さん達の経験を踏まえた濃い講義内容でした。
在宅で看取りを行う看護師さんはもとより、その場に居合わせなくても
関わっているコメディカルや介護職の方にとっても、亡くなった方に対する向き合い方や
残された家族に対する対応など,勉強になったのではないでしょうか。
文責 桑原
第13回「排痰補助装置(カフアシスト)の紹介」
フィリップス・レスピロニクス合同会社
今回は排痰補助装置(カフアシスト)についての勉強会でした。カフアシストについてのの基本的な説明から、実際に導入する際の注意点など複区掘り下げた内容でした。 導入時にどうやれば患者さんが拒否感なく使えるかどうかを、 実際にカフアシストをつけながら講義を受けることができ、勉強になりました。
実際に導入の現場に立ち会うことは少ないかもしれませんが、導入されている患者さんの気持ちにはかなり寄り添えるようになったと思います。
文責 桑原
第14回「在宅における栄養管理とNSTの役割」 株式会社クリニコ
今回は「在宅における栄養管理とNSTの役割」ということで、栄養管理基本的な内容から、カロリー計算の方法など、 また摂食・嚥下に関して嚥下食や交互嚥下・スライス法など多岐にわたって紹介していただきました。実際にクリニコさんで扱っている商品を用いたとろみ調整食品の使用方法の説明など、参考になったのではないでしょうか。
みなさん試供品を色々頂けたので、実際に試してまた新しい発見があったのではないでしょうか。
文責 桑原
第15回「明日から使える口腔ケア」
第15回は口腔ケアについてです。前半は講義で後半は実践という形式で行われました。 五十嵐先生の講義いかがだったでしょうか。ものすごくわかりやすい講義でしたね。
講義は口腔ケア・口腔リハビリについて、症例を元にした解説、ケアする際の立ち位置、口腔ケアに入る前に・・・、と実際のケアを行う際の手順を分かりやすく解説していただきました。
後半は前半の講義の内容を2人一組でポイントを説明しながら実践しました。
とても分かりやすく、実際に行う方もやられる方も体験出来て、まさに「明日から使える口腔ケア」でしたね。
文責 桑原
第16回「インフルエンザに関する話題」
第16回はインフルエンザについてです。インフルエンザウィルスの構造・増え方などの基本的な事柄から、歴史的・疫学的な事、統計的な事から予防・治療に関することまで幅広く学びました。
個人的には、なんとなくつけていたマスクに関して、つける意義について理解できたのがよかったです。
インフルエンザについて正しく理解、しっかり予防して元気に頑張っていきたいですね。
文責 桑原
第17回「疥癬について~間違いだらけの疥癬対策~」
第17回は疥癬についてです。疥癬を知っている方にとっては、「患者さんを隔離して、殺虫剤をまいて、毎日お風呂にいれて・・・」と、対応が大変だとの思いがある方が多いのではないでしょうか。
今回は、疥癬についての基本的な知識から、多くの医療機関で混同されてしまっている通常の疥癬とノルウェー型疥癬との対応の違いについてを詳しく説明していただきました。
過度な対応で患者さんのサービスが止まってしまったり、対応者が疲弊してしまうことが無い様に、正しい知識をもとに対応していくことが大事であることがわかりました。
牧上先生はホームページでも様々な情報を発信されています。
カイセン問屋ヒゼン屋 HP:http://d.hatena.ne.jp/makikuni/
文責 桑原
第18回「在宅医療の基礎知識」
つばさ在宅クリニック西船橋開設後、初めての勉強会は予想以上の参加希望をいただきましてありがとうございました。
また、より多くの方に参加していただくために、人数の調整にご協力をしていただきありがとうございました。
第18回目の勉強会は、在宅医療の基礎知識と題して、在宅医療とは?訪問診療とは?普段疑問に思っている事を解決できるように、当院の理念である患者・家族に寄り添った診療や、最後まで家で過ごしたいという想いをお手伝いする在宅医療について紹介をさせていただきました。
専門性が高くなければ、病院の入院医療と在宅でできることがほぼ同じであるとお伝えできたのではないでしょうか?
また、当院でお看取りまで在宅療養のお手伝いをさせて頂いた症例報告では、退院前カンファレンスで確認する事、そこで確認したことが退院後にどのように活かされるのか。
在宅療養がはじまってから、ご本人様やご家族を支えるためのチームの役割、実際に導入したサービス、ご本人様、ご家族様の想いも紹介出来たのではないかと思います。
最後に、当院にて療養のお手伝いをさせて頂いた方々の、思い出の写真をスライドショーで紹介させていただきました。
何度見ても熱い思いがこみ上げるスライドショーになりました。
文責 吉野
第19回「嚥下機能評価とリハビリ」
第19回目の勉強会は、嚥下機能評価とリハビリについてです。いくつかある嚥下機能評価方法より今回は、嚥下造影評価(VF)、嚥下内視鏡検査(VE)の実際の動画を使い牧上医師によるわかりやすい解説にて嚥下の話、誤嚥が起こる仕組みが理解できたのではないでしょうか。
また、あわせて完全側臥位法の紹介もさせて頂きました。
今回嚥下の話をさせて頂く中で、とろみの重要性をお伝えさせて頂きました。
株式会社フードケア様にご協力をいただき、とろみ粥の試食と作り方、とろみ剤の紹介を行っていただきました。
文責 吉野