言葉の説明

嚥下内視鏡検査(VE)



嚥下機能の評価には、水飲みテストなどの機器を使わない方法と、嚥下造影検査(VF = VideoFluoroscopic examination of swallowing) 又は嚥下内視鏡検査(VE = VideoEndoscopic examination of swallowing)の機器を使った検査が行われます。
機器を使わない検査では「嚥下障害らしさ」を知ることはできますが、治療を行うに当たっては機器を使った造影による診断が重要になります。
嚥下造影検査はレントゲン室などでバリウムを混ぜた食事を飲食して透視します。対して嚥下内視鏡は鼻から内視鏡(カメラ)を挿入し、検査を行います。

嚥下内視鏡の利点は手軽で時間的制約が少なく、在宅でも行うことができ、通常の食品の摂取状態を評価することが出来る点です。
当院での指導の際は内視鏡の映像をiPadに映し、体位や食形態での呑み込みの状態をご家族や介護者と一緒に観察することで、ご自宅の環境でのより分かりやすい指導を行うことが出来ます。



腹水ろ過濃縮再静注法(CART)



お腹にある臓器を包む膜を腹膜といいます。腹膜は、臓器と臓器の摩擦を少なくするために腹腔と呼ばれるすきまを作っています。 腹腔には通常20~50mlの水が入っていますが、さまざまな病気の影響で通常よりたくさん貯まった水、または状態を腹水といいます。

腹水が貯まると、腹部膨満感や食欲不振、呼吸困難、便秘、尿量減少などの症状がでます。
この腹水の治療には食事療法や薬物療法などがありますが、そのような治療を行っても改善しない腹水を難治性腹水といいます。

この難治性腹水の治療のひとつに腹水ろ過濃縮再静注法(CART)があり、当院で行っているのは改良型CART(KM-CART)と呼ばれる療法です。 この療法を大雑把にいうと、腹水を一度抜いた後、ろ過により余分な水分等を除いた後に必要な栄養等を戻す療法になります。
通常の腹水穿刺(腹水を抜くだけ)の場合、腹水に含まれる栄養素等も一緒に排出してしまうため、体が弱ってしまったり、再び腹水が貯まりやすい状態になってしまうことがありますが CARTではこうしたデメリットを抑えることが出来る場合があります。
現在体制等の事情により行っておりません